【ボーリングコア保管で方針】
全国地質調査業協会連合会(田中誠会長)は、ボーリングコアの適切な保管やデジタルデータ化などをテーマにした「地質データ標準化検討小委員会」の活動報告をまとめた。保管や破棄の基本的なルールを定めたほか、ボーリングコアの代替となるコア写真を容易に閲覧可能な公開データベースで保管することが望ましいとする運用方針を示した。全地連は小委員会の活動を踏まえ、国土地盤情報センターが2027年4月に開設する、コアの連続写真や柱状図、位置情報などをデータベース化した「デジタルコアラボ」の活用を発注機関に促していく考えだ。
小委員会は、日本建設情報総合センター(JACIC)の助成事業として24年8月に立ち上げた。JACICが設置した社会基盤情報標準化委員会の下部組織という位置付けになる。ボーリングコアの対処を検討したほか、柱状図作成要領や地質要領、地質ガイドラインの見直しに取り組んだ。
地質調査や土質調査で採取したボーリングコアは工事書類と同様の扱いで長期間保管するため、保管スペースの確保や管理コストの増大が課題となっている。
全地連が実施した会員アンケートでは「発注者から業務完了後も保管するよう依頼がある」「保管期間について明確な指示がない」「保管や廃棄の費用は受注者が負担するケースが多い」との声が寄せられた。一方、発注者へのヒアリングでは、専用の保管場所がないことや産業廃棄物扱いとなるため処分に困っていること、コアは掘削後1-2週間で乾燥するため再試験には使えないことなどの実情が明らかになった。
こうした調査を踏まえ、小委員会はこれまで曖昧だった保管や廃棄のルールを整理して方針案としてまとめた。ボーリングコアは全て成果品として納品し、保管や廃棄は発注者が行うことを基本とした。必要な工種のみ保管し、それ以外は納品後に原則廃棄することを明確化。保管に当たっては適切な温度・湿度管理で劣化防止に努め、廃棄する際は地質性状が把握できる連続コア写真をデータベースなどに保管するよう推奨した。方針案は柱状図作成要領の改定に反映させる。
また、ボーリングコアの代替として役目を果たすコア写真について、データベースによる納品からデータ集約、保管管理、閲覧・共有までの工程をまとめた。
データベースを活用するメリットには、柱状図や連続コア写真の公開がコアの採取・判定の品質向上につながることや、柱状図を2次利用する時に連続コア写真を妥当性確認の材料として使えること、災害時にはコア写真を並べて確認できるため正確な地層の把握が可能となることなどを挙げた。
